2011年04月18日

イリュージョニスト

イリュージョニスト.jpg

長編デビュー作「ベルヴィル・ランデブー」で世界的に高い評価を受けた
シルヴァン・ショメ監督が、フランスの喜劇王ジャック・タチが娘へ遺した
幻の脚本を、タチをそのまま主人公のキャラクターとしてアニメ化した
ハートフル・ヒューマン・ストーリー。
時代遅れの老手品師と純真な少女との切なくも美しい心の交流を、
ノスタルジックかつペーソスあふれるタッチで綴る。
                                                              (allcinemaさんより抜粋)
    * * * * * * * *

1950年代のパリ。かつての人気も今は昔、初老の手品師タチシェフは、
寂れた劇場や場末のバーを巡るドサ回りの日々。
そんなある日、スコットランドの離島を訪れたタチシェフは、ひとりの
貧しい少女アリスと出会う。手品師を何でも叶えてくれる“魔法使い”と
信じ、島を離れる彼に付いてきてしまうアリス。
やがて、言葉も通じないながらも一緒に暮らし始めた2人。
落ちぶれた自分を尊敬の眼差しで慕うアリスに、いつしか生き別れた娘の
面影を重ね、彼女を喜ばせるべく魔法の呪文とともにプレゼントを
贈り続けるタチシェフだったが…。
                                                              (allcinemaさんより抜粋)

    * * * * * * * *

当初は観る気のなかった作品でしたが、先日『ファンタスティックMr.FOX』
を観に行った際、この作品の予告編が流れて興味に惹かれ、今週末シネ・
リーブル梅田にて観賞。

素晴らしい映像美に感嘆。

水彩画のような美しくノスタルジックな映像世界が素晴らしく、そして
水鳥が川面を飛び出すときにおきる水しぶきなど、細かい描写も丁寧に
描かれている映像に最後まで引き込まれました。
また、サイレント映画かと思ってしまうほどセリフを最小限までそぎ落とし、
さらに登場人物のアップの画を一切容れず、ある程度引いた映像で最後まで
魅せる手法は印象的でした。

時代が変わりつつある中、もはや時代遅れになりつつあるタチシェフの
手品を魔法と思い、その魔法を操るタチシェフを魔法使いと思いこんだ
アリスの純粋さと、その純粋さゆえに遠慮や経済観念もなくただただ
目の前に広がる目新しいものに目を奪われて、それをタチチェフに
ねだってしまう。
そんなアリスに対してタチシェフは無償の愛とでもいうかのように
アリスの願いを叶えていく。もちろん手品の仕事だけではきついので
自動車整備工場やデパートで手品をしつつ商品を紹介するような自分の
手品を安売りするような仕事をしてまでお金を稼ごうとする。
タチシェフがそこまでする理由が最後に解るんですが、彼は彼でアリスに
自分の娘の面影を投影することで、娘にしてやれなかったことをアリスに
することで満足していたんではないかと感じた。

そしてそんな二人だったが、アリスが近所に住む青年と恋に落ち、二人で
いるところをタチシェフは目撃してしまう。
そこでタチシェフは自分がアリスから去る時期が来たことを悟り、ひっそり
と去っていくんですが、その姿と佇まいに何ともいえぬ哀愁が感じられ
切ない気持で一杯になりました。


にほんブログ村 映画ブログへ

クリックして下さった方、ありがとうございます。
posted by はくじ at 00:02| 大阪 ☁| Comment(2) | TrackBack(11) | 映画(ヨーロッパ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
まあ、アリスのわがままぶりも問題ありでしたが、それでもなんとかしてあげようとする気持ちと、彼を純粋に魔法使いと思う気持ちとか、いろいろと時代を感じさせてくれました。
なんだかよくわからないのですが、じわっといい感じにさせてもらいました。
Posted by sakurai at 2011年06月07日 19:24
>sakuraiさん
コメントありがとうございます。

日本のアニメとは違う描画とほぼサイレントなところが何とも言えぬ、心にじわっと沁みこんでくる作品でしたね。
Posted by はくじ at 2011年06月12日 11:36
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

イリュージョニスト・・・・・評価額1700円
Excerpt: 年老いた奇術師が孤独な少女に出会った時、半世紀の時を越えて銀幕が魔法に包まれる! 「イリュージョニスト」は「ベルヴィル・ランデブー」で知られるシルヴァン・ショメ監督が、母国の偉大な喜劇王、ジャッ....
Weblog: ノラネコの呑んで観るシネマ
Tracked: 2011-04-18 23:19

『イリュージョニスト』は新しい1950年代だよ。
Excerpt:  今回はシルヴァン・ショメ監督の『ベルヴィル・ランデヴー』以来8年ぶりの長編アニメ作品『イリュージョニスト』の感想です。  観に行った映画館はTOHOシネマズ六本木ヒルズ。  客層は老..
Weblog: かろうじてインターネット
Tracked: 2011-04-19 00:43

イリュージョニスト
Excerpt: 1950年代、パリ。 初老のイリュージョニスト(手品師)タチシェフは、三流劇場や場末のバーをドサ回りする毎日を送っていた。 ところが、スコットランドの離島で出会った貧しい少女アリスは、手品師のことを何..
Weblog: 象のロケット
Tracked: 2011-04-19 03:50

イリュージョニスト☆独り言
Excerpt: 『ベルヴィル・ランデブー』は友達から勧められて観てよかった作品の一つですが、その監督の長編アニメーションを予告で観て、それだけでキュンっとしてしまった作品です。旅回りのフランス人老奇術師タチシェフは、..
Weblog: 黒猫のうたた寝
Tracked: 2011-04-25 22:33

イリュージョニスト
Excerpt: 以前にチラシをもらってきて気になっていたので、TOHOシネマズ六本木ヒルズまで行って観てきました。ハートフルなフランスのアニメ映画です。1950年代のパリで昔ながらのマジックを披...
Weblog: がらくた別館 映画・漫画いろいろ日記
Tracked: 2011-04-27 00:14

「イリュージョニスト」
Excerpt:  (原題:L'ILLUSIONNISTE )作品内容と映画作りの手法がマッチしていない印象を受けた。フランスの喜劇王ジャック・タチの幻の脚本をアニメーションとして仕立てたのは、傑作「ベルヴィ..
Weblog: 元・副会長のCinema Days
Tracked: 2011-05-03 07:14

イリュージョニスト
Excerpt: なんとも不思議で独特な味わい。。。情けは人のためならず・・・
Weblog: 迷宮映画館
Tracked: 2011-06-07 19:25

Short Notes_1 シルヴァン・ショメ監督 『イリュージョニスト』
Excerpt: 「ぼくの伯父さん」シリーズで名をはせたジャック・タチが娘のために書いた幻の脚本(「FILM TATI No.4」)を基に長編デビュー作『ベルヴィル・ランデブー』で独特のセンスを発揮したシルヴァン・ショ..
Weblog: 映画雑記・COLOR of CINEMA
Tracked: 2011-06-18 23:27

イリュージョニスト
Excerpt: 2011年7月3日(日) 18:40〜 キネカ大森1 料金:1000円(Club-C会員料金) パンフレット:未確認 イリュージョニスト [DVD]出版社/メーカー: スタジオジブリメディア: D..
Weblog: ダイターンクラッシュ!!
Tracked: 2011-07-04 02:24

イリュージョニスト
Excerpt: フランスの「ベルヴィル・ランデブー」の同じ監督さんの作品です。前作であるベルヴィル・ランデブーでは、その驚異的なデフォルメが目立っていましたが、今作ではそれは抑えられシンプルな作風に変わってい..
Weblog: いやいやえん
Tracked: 2011-10-20 08:47

「イリュージョニスト」
Excerpt: 孤独なおじさんの、つかの間の夢。
Weblog: 或る日の出来事
Tracked: 2012-08-20 07:02
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。