独裁政治を学ぶ体験授業をきっかけに洗脳されていく高校生たちの姿を描き、
ドイツで大ヒットを記録した心理スリラー。アメリカで起こった実話を
ドイツの高校に置き換え、『エリート養成機関 ナポラ』のデニス・ガンゼル
がメガホンを取った。主演には『エーミールと探偵たち』などに出演する
ドイツの俳優ユルゲン・フォーゲル。単純な興味や好奇心、ゲーム感覚から、
あっという間に集団狂気に変化していく様子は、実話ならではのリアルさを
帯び、身の毛もよだつほどのラストも衝撃的だ。
(シネマトゥデイさんより抜粋)
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自由な雰囲気で生徒に慕われるベンガー(ユルゲン・フォーゲル)は、
校長の要請で独裁制の授業を担当することに。
あまりやる気のない生徒に、「発言するときは挙手して立つ」など独裁制の
実験を取り入れようと提案。しかし、ベンガーの予想を超え、独裁制に魅了
された生徒たちは、学校外でも過激な活動をするようになり……。
(シネマトゥデイさんより抜粋)
2008年の第15回大阪ヨーロッパ映画祭で上映ラインナップに入ってて、
観てみたいなぁと思いつつも、この時は
『ハンドルネームはベンX』(オランダ)
『永遠のこどもたち』(スペイン)
『ジョジーの修理工場』(アイルランド)
『いのちの戦場-アルジェリア1959-』(フランス)
をチョイスしてしまい、この作品は見逃してしまっていたんですが、
いつの間にかDVD化されていたのを最近知ったのでレンタルして観賞。
独裁制を学ぶために始めたシミュレーション。
決めたのはたった4つのルール。
・指導者役のベンガーをベンガー様と呼ぶこと。
・許可なく発言はしない。発言の際は挙手・起立の上、発言すること。
・仲間を助け合うこと。
・制服として白シャツを着用すること。
あとは授業内で足踏みさせて歩調を合わせたりすることで、クラス内の
生徒は次第に独裁制に魅了されて深みにはまっていく過程が興味深かった。
団結することで仲間を大事にする一方、自分達とは違う異質のものは
排除するか、自分達に取り込むかで均一化を図ろうとする全体主義の
危うさがよく描かれていたと思う。
ラスト、ベンガーが警官によって連行されるが、その周りで生徒が
被害者面してるのが怖いな。
こういう時ってトップが断罪されるけど、そもそもトップを民衆が
選んでいるのに、何かあればトップとその周りに罪を着せて自分達は
選んだ責任があるのにかかわらず被害者面。
独裁制云々よりも大衆の集団心理の移り具合が怖く感じた作品でした。

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