バツイチ40歳男が結婚している妹の家に転がり込んだことから巻き起こる
騒動と、個性的な日系アメリカ人の姿を描いたコメディードラマ。
アメリカ映画でありながら『ラストサムライ』『硫黄島からの手紙』の渡辺広
や、『インランド・エンパイア』『硫黄島からの手紙』の裕木奈江など多くの
日本人が出演し、2010年の大阪アジアン映画祭で上映されて好評を博した
異色インディペンデントムービー。
監督はデイヴ・ボイル。
日本からやってきたハジメはジミーと名乗り、妹アイコのアメリカの家で
居候中。ハジメは、40歳のバツイチで何をやっても長続きしない負け犬で
アパートも定職も見つけようとせず、1日3時間程度のオフィスでのバイト
をする程度。そんなハジメにアイコの夫・タクは出て行って欲しいが、
アイコの手前きつく言えずにストレスを抱えていた。
ある日、タクの姪ラモナが同居することになり、久しぶりにラモナと再会
したハジメは、美しく成長した彼女にすっかり心を奪われて一目ボレする。
何とか彼女の心を射止めたいハジメはアイコの1人息子で無口な小学生ボブの
力を借りてアタックするのだが……。
2010年の大阪アジアン映画祭でアメリカ映画でありながら映画祭にライン
ナップされた異色映画で、興味あって観たかったんですがスケジュール的に
調整がつかずに泣く泣く観のがしたんですが、今回DVDとして発売された
ので、早速取り寄せて観賞。
監督が日本文化大好きでアメリカンテイストのフーテンの寅さんを撮ろうと
して作ったとのことで、ハジメとアイコの関係などはそれを思わせるような
感じで、ハジメのイタイ行動とハチャメチャぶりが面白かった。
40歳であの行動は無いわ。
40歳にもなって思ったことをそのまま口にしたり、気のない女性にはとことん
冷淡な態度取ったりと、まんま大きな子供。
憎めない感じの人間ならまだしも劇中のハジメは憎めない感じじゃないので、
見ていてイラっと来て、自分の周りにこんなオッサンが居たら間違いなく殴り
かかってる。
それなのに劇中の大人達はなんかハジメには寛容だったりする。
ほんと出来た人達で感心する。
反面、アイコの子・ボブは子供なのに自分で近所の芝刈りなどをしてお金を
稼いでそれをハジメに貸したり、両親の喧嘩などにも興味なく常にクールで
自分の感情を表に出さないあたりは、ハジメと違って大人然としてる。
そんなボブに頼りきるハジメと、文句を言わずに協力するボブの二人の対比は
なかなか面白かった。

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