第2次世界大戦期のイタリア・ボローニャを舞台に、同級生を殺害して
しまった娘と、彼女を献身的に支え続けた父親のきずなを描いた人間ドラマ。
時代の波に翻弄された平凡な家族の崩壊と再生の物語を、イタリアの名匠
プピ・アヴァティ監督がノスタルジックに紡ぎ、本国で大ヒットを記録した。
娘に無償の愛をささげる父親を『息子の部屋』の名優シルヴィオ・オルランド
が演じ、第65回ヴェネチア国際映画祭男優賞に輝いている。
第2次世界大戦前夜のボローニャ、美術教師のミケーレ(シルヴィオ・オルラ
ンド)は美しい妻のデリア(フランチェスカ・ネリ)、17歳の娘ジョヴァンナ
(アルバ・ロルヴァケル)とつつましく幸せに暮らしていた。そんなある日、
ミケーレの勤める学校で女子生徒が殺害され、その犯人がジョヴァンナだった
ことから、一家の平穏な生活は一変してしまう。
(シネマトゥデイさんより抜粋)
遊びに来ていた姪っ子達が帰ったので、今日からは付き添いではなく、自分が
観たい作品を観に行こうと、メンズデーのテアトル梅田へ行くことに。
事件が起こって家族がバラバラになって崩壊するんですが、この家族は元から
崩壊してたような。母親は打算で結婚して、夫の親友に恋愛感情を持ち、
父親は母親の意向や気持ちを省みずに娘に行き過ぎなぐらいの愛情を注ぎ、
娘は母親が父親以外の男性に気持ちが行っているのを感じ取って精神的に
おかしくなっているし。
事件がきっかけで表面化しましたが、事件が起きなくても遅かれ早かれ、
同じようなことが起きたのではないかと思ってしまいました。
母親がやたらと夫の親友とチラチラと目を合わせては逸らすような描写が
たくさんあって、母親が夫の親友に想いを寄せている、夫の親友も妻がいる身
であるものの、母親のことを想っていることを説明しているのに、母親が娘を
邪険にするきっかけやその理由を描写したシーンがなく、なぜ母親は一度も娘
に面会しないのか、その心理が分からなかったのがちょっと残念。
父親は愛情が行き過ぎてるような気もしますが、娘を想う表情や何気ない
佇まいから感じられる悲哀がなんとも言えない良さがありました。
それにしてもあの時代、裁判がちゃんと公平に行われていたことに感銘を
受けました。まだムッソリーニのファシスト党の独裁前だったから出来たの
かな?

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特に相手の子が、上院議員だったか有力者の娘であっただけに特に・・・
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コメントありがとうございます。
あの裁判には感心しました。
上院議員で、勢力を拡大しつつあるムッソリーニ支持者の圧力に屈しないイタリアの司法の公正さに驚きでした。この事件、裁判員裁判であったらどういう判決になるのか、ちょっと興味あります。
母の気持ちですが、母としてはなんとなくわかるなあ。
母親とて子供を無条件に愛せるかというと、そうとは限らない。
特にこの旦那とは、愛し合って結婚したのではない。でも、娘を愛さなければならない母としての思いと、どうしてもそうはできない自分に対する戒めみたいなもん。その思いがどこかで自分を縛ってて、娘に会う勇気がどうしても起きない。
娘を愛せない自分を見せないのが、せめてもの母の愛情かな・・・・みたいなもんではないかと、私は思いました。
コメントありがとうございます。
妙に裁判のシーンに目が行ってしまいましたね。
あっ!なんか司法がマトモ。さすがヨーロッパ、
当時の日本ならこうはならないんじゃないかなと
思いながら見てました。
なるほど母親の気持ちとしてそういう見方も
あるんですね。独身男性からするとなかなか
そういう気持ちが理解できないというか、
思い至らなかったので、sakuraiさんの意見は
なるほどなぁと感心しました。