紡績工場で働くリリーは夫と息子の3人暮らし。会社でリストラに遭った夫は
魚屋を営んでいるが稼ぎは減り、リリーも工場で淡々と働きながら子どもを
育てる日々だった。ある日突然倒れたリリーは、担ぎ込まれた病院で、医師が
「奥さんは白血病で、治療しなければあと数カ月の命しかない」と夫に告げて
いるのを聞いてしまう。リリーは莫大なお金がかかる治療を断念し、死ぬ前に
北京にいる初恋相手に会いに行こうと決意する・・・・。
『トゥヤーの結婚』でベルリン国際映画祭グランプリに輝いた中国新世代の
旗手ワン・チュアンアン監督が、新たな感動作を作り上げた。リリー役には、
『スピード・レーサー』でハリウッド進出を果たしたユー・ナンを起用。
死という人間の普遍的なテーマを題材に、余命数カ月と宣告されたリリーが、
残されたわずかな時間の中で自分の人生と立ち向かおうとする姿を描く。
過去を振り返るための旅の中で、今の幸せに気付き、妻として、母として、
そして女として最後まで生き抜く主人公の姿を、雄大な田舎の風景の中に
静かに描き出す。アコーディオンで奏でるロシア民謡「紡ぎ女」の響きが
哀しい。なお、続くワン・チュアンアン監督の最新作『団円』は、この2月に
開催された第60回ベルリン国際映画祭のオープニング作品に選出された。
いま世界で最も注目される監督のひとりである。
『トゥヤーの結婚』の監督の作品ということと『紡績姑娘』というタイトル
から興味をもって、朝イチ移動で観てきました。
淡々と描かれていき、特に何事も起こらない静かな映画なので、観ていて
ちょっと眠くなります。特に今日は始発移動で、『時かけ』『花のあと』を
観たあとの観賞でだったので、疲れから来る眠気と闘いながらの観賞となり、
結構辛かった。
初恋相手と結婚を意識していたにもかかわらず両親の反対で結婚できず、
やがて初恋相手は北京へ転勤。両親へのあてつけで初恋相手より劣る
今の夫と結婚したリリー。そんなリリーが白血病にかかり、残された
時間の中で、自分の人生を見つめなおす旅に出て、やがて今の夫と子供との
生活が幸せだったことに気付くのだが、すでにリリーの命は消えようと
しているという現実が見ていて切ない。
夫はたよりないながらも妻をしっかり愛していることが行動から見てとれ、
夫を見ているとリリーは決してつまらない人生を送ってきていないと思うし、
いい伴侶に恵まれていたんじゃないかと思われる。

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