『ＴＡＪＯＭＡＲＵ』

 

芥川龍之介の『藪の中』に登場する盗賊の多襄丸を主人公にしたオリジナル
ストーリーの時代劇。
武家の名門の次男坊として生まれた主人公が兄や家臣に裏切られながらも
愛した女性のために生きる様を描く。

室町後期。三管領家の一つ畠山家には信綱・直光の兄弟がいた。
直光には将来を誓い合った幼馴染の阿古姫がいたが、ある日、阿古姫の父親で
ある大納言が急逝する。そこで八代将軍・足利義政は信綱・直光兄弟に対し
阿古姫と結婚し、大納言家の財産を継承した者が畠山家の家督を継ぎ、次期
管領とすることを宣言する。
本来なら嫡流ということで家督と次期管領職も自分のものだったのに、この
まま直光と阿古姫と結婚されては、家督を失うと考えた信綱は阿古姫を犯して
しまう。一方直光は家来の桜丸によって阿古姫が信綱に連れ去られたことを
知り、阿古姫を奪還しに行く。無事、阿古姫の奪還に成功した直光は少数の
家来と共に都から落ち延びるが、桜丸が裏切り、家来たちを殺害する。
阿古姫と二人きりになった直光はさらに逃避行を続けるが、そこに盗賊の
多襄丸が現れる。

全ては直光の自業自得。

幼少時に盗人の桜丸を助けて従者にしたことが、この悲劇を生んだんだから
仕方ないよね。

昨日、『しんぼる』や『プール』を観にいってなんばパークスシネマの
鑑賞ポイントが溜まっていたのと、『TAJOMARU』がなんとなく地雷映画っぱい
気がしたので、昨日に引き続きなんばパークスシネマにて鑑賞ポイント
引き換えで観賞することに。

ポイント引き換えで観て正解。

時代劇なんですが、まぁ突っ込みどころが一杯の設定。
迫力不足の悪玉。最後まで守り抜こうとはとても思えない容姿の姫様。
そして全編に渡って漂う薄っぺらさ。
こんなんだったら足利家とか畠山家とか実在の人物や設定使わずに
まったく架空のファンタジー時代劇でやってほしかった。
足利とか畠山って名前をチラシでチラッと見てしまったばっかに
食指が動いてしまったじゃない。

ただ一つ良かったのは松方弘樹。彼が登場するシーンは良かったです。
彼自身から漂う重厚さや演技は素晴らしく、ここは見ごたえありました。

映画が終わって、スクリーンからロビーに戻ろうと廊下を歩いていると
映画館スタッフに制止されて、何事かと思ったら、向こうから
『プール』の舞台挨拶に来ていた小林聡美ともたいまさこの姿が。
すぐに控え室に消えましたが、実物で観たら二人とも小さかったですね。
個人的にはさよ役の伽奈を見たかった。

 

Comments

ノー小栗、ノークライ。(笑)
いや〜泣いてばっか。
この映画で
左右自在に涙がでるようになったらしいですが。

真実は一つだけど
見方で変わる出来事に
余りに翻弄された男。


あれはホントにハッピーエンドだと思いますか？

…弱っ。（！）

かっこよくても人生預けられる男ちゃうなって。

Posted by at 2009年09月17日 08:56

>>かっこよくても人生預けられる男ちゃうなって。

直光が薄っぺらすぎて同情できないです。
自由だなんだのって自分が背負ってるものに
対して責任なさすぎです。

Posted by はくじ at 2009年09月19日 02:10

「クローズZERO」をまったく知らず、時間つぶしのために見てはまってしまった私は、これにも十分はまれました。
やっぱ小栗君は、おばさんの目にいいです。
５歳は若くなれますわ。
「羅生門」の三船をほうふつさせる松方サンは、迫力ありました。

Posted by sakurai at 2009年09月22日 09:36

＞sakuraiさん
コメントありがとうございます。
sakuraiさんは楽しめたようですね。
どうにも私には合わなかったです。
松方さんの演技は迫力あって素晴らしいですね。

Posted by はくじ at 2009年09月24日 01:05