グラン・トリノ

『硫黄島からの手紙』や『チェンジリング』のクリント・イーストウッド
監督が『ミリオンダラー・ベイビー』以来、４年振りに監督・主演を努めた
人間ドラマ。
妻に先立たれた孤独で人種差別の偏見を持つ老人が、愛車グラン・トリノの
盗難未遂事件をきっかけに、隣に住むアジア系移民一家と交流していくこと
になり、交流を深まることで老人自身の心境が変わる様を描く。

朝鮮戦争に従軍し、長年フォードの工場で働いてきた老人ウォルト。
妻に先立たれ、息子達との関係は良くなく孤独ではあるが、常に庭の手入れを
怠らず自慢の72年製フォード車グラン・トリノと愛犬との静かな余生を送って
いた。しかし彼の住む住宅街はいつの間にか、黒人やアジア系移民達が多く
住んでおり、彼らの我が物顔の態度に偏見を持つウォルトは反感を感じていた。
そんなある日の夜中、愛してやまないグラン・トリノを駐車してあるガレージ
から物音がし、ウォルトは朝鮮戦争で使用していたライフルを手にガレージへ。
そこでグラン・トリノを盗もうとしていた不審者を見つけるが、不審者は
ウォルトの隙をついて逃げてしまう。
後日、犯人は隣に住むモン族移民一家のタオという少年であることが判明する
が、タオは同じモン族の不良グループに強要されてのことだった。
タオは贖罪にウォルトの指示通りに仕事をする。その真摯な態度にウォルトの
心に変化が起きる。しかし不良グループ達はしつこくタオに絡んできており、
ウォルトはタオ家族の身を案じる。

素晴らしい映画でした。
前作の『チェンジリング』もすごく良い映画でしたが、これもすごく良かった。
クリント・イーストウッドの才能には頭が下がります。

エンドロール終わって明るくなるまで、衝撃というか感動で我を忘れるほど
でした。他の観客も同じだったかどうかはわかりませんが、明るくなるまで
誰も帰ろうとしませんでした。今までいろんな映画観てきて、明るくなるまで
誰も帰ろうとしなかった映画はちょっと記憶にないんで。
それだけこの映画が素晴らしかったんだと思います。

ラストのあの展開は見ごたえあって、是非映画館で観て欲しいです。

Comments

ラストの音楽も、余韻を残しました。
これだけ短い間に、何本も傑作を生み出すエネルギーは、どこからくるんだろうと、つくづく思います。

Posted by sakurai at 2009年04月27日 08:18

＞sakuraiさん
コメントありがとうございます。
ほんとにあのエネルギーはすごいですね。
次回作も楽しみにしちゃいますよ。
いつまでも元気で映画撮り続けて欲しいもんです。

Posted by はくじ at 2009年04月28日 01:58