2010年/ボスニア・ヘルツェゴビナ・オーストリア・ドイツ・クロアチア
35mm-カラー100分
ボスニア語(日本語字幕)
監督:ヤスミラ・ジュバニッチ
出演:ズリンカ・ツヴィッテシッチ
レオン・ルチェフ
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複雑な東欧社会に揺るがされるひとつの愛の行方
カップルのルナとアマルは二人の関係を揺るがす出来事に見舞われる。
始まりはアマルが仕事中に酒を飲み、停職処分になったことだった。
また子どもが欲しいと願って2年が過ぎ、人工授精に進むべきか、決断を
迫られていた。ある日、アマルが厳格なイスラム教集団での仕事を引き
受けたとき、ルナの不安は大きくなっていく。アマルは遠く離れた湖畔へ
と旅立ち、連絡は途絶えた。ようやく彼を訪ねることを許されたルナは、
そこで男女が隔離され、厳しい規律のもとで信仰に従事する生活を目の
当たりにする。やがてアマルが帰宅したとき、ルナは彼があまりにも
変わってしまったことに気づく。彼はただより善い人になりたいのだと
言うが、ルナはついて行けず、溝が深まるのを感じるだけだった。
彼女はこれまで信じてきたこと、子どもを望んだことにさえ疑問を抱く
ようになる。戦争の悲惨な過去がたびたびよみがえり、ルナは二人を
結びつけ、幸せな生涯をともにできるほどの愛があるのかどうか自問
するのだった。
(第17回大阪ヨーロッパ映画祭公式パンフより抜粋)